頽廃の沼滞在記

シアワセはゴールドムーンより高価

ウマ娘二期感想

こんばんは。春アニメまとめで一緒に出そうと思ってたんですけど想像以上に見るのに時間かかってるのでとりあえずいい加減これだけは出しておきます。

見終わったときに勢いで書いたものなので、文章になっていないものがあります。一々直すのも読みに来る人数に対して労力が見合わないので(最低)、何か分からない個所とか語りたいこととかあったらTwitterかコメント欄に書いてください。

 ウマ娘 プリティーダービー Season 2

毎話毎話泣いていたけど最終話はぶっ通しで泣いてティッシュ一箱使うかと思いました。一期がウマ娘スターターパックみたいな構成だったのに対して、今回はギッチリテイオーマックイーン編でしたね。スターターパックでもボロボロ泣くんだけどさ…。

まず、アニメの構成が凄い。

稀代のステイヤー、人を退屈させるほどの強者メジロマックイーンと皇帝の血筋、不屈の帝王トウカイテイオーの激突である92春天、その後直接対決が無かったこと、マックイーン優勢の距離設定であったことからこの二人とその周りの関係性を描くのはすごいを通り越して異常。本来トウカイテイオーともメジロマックイーンとも関係のないはずのツインターボの大逃げでなぜか号泣できてしまう作り、とてつもない…。こういった背景がより解像度高く見えてくるようになったので、ウマ娘アプリには感謝しています…。史実を調べながらゲームシナリオなどを読むの艦これやガルパンでも通ってきたけど見える視界が増えて最高ですね。特にウマ娘は作り手側の丁寧な史実なぞりと見せてほしかったIFがあって知っていれば知っているだけダメージが別枠乗算されていく感じがあります。

この史実に対してのリスペクトもすごい。メジロマックイーンは主役級だけどライスシャワーが勝っちゃうし。キタサンやゴルシやダスカもいるけど、レースの中は実際に行われたレースをほぼなぞっているだけ。結果もググればすぐわかるのにレースの度に泣かされてしまう。これが構成やそれぞれの馬へのリスペクトと何より当時の馬たちへの熱気のリスペクトの賜物だと思う。いうなれば競馬のブームと熱気まで含めた再現。

キャラも良い。描写が細かい。シンボリルドルフが親のような顔をしているのが最高。親なので。親じゃないんだけどさ。テイオーの引退ライブの準備中ずっとしょげた顔してるのにターボの諦めない姿見て良い顔するところとか親の顔でしかない。

雨の中で泣くマックイーンが恐怖からテイオーの手を取れないところやライスシャワーがたとえ敗者のファンに疎まれようとも強者として皆に認められるところはキャラの性質と描写のバランスが凄いと思いましたね。ブルボンが人格を持った(これは馬との比較であり、サイボーグ云々の話ではありません)ことで史実を超えて再起できる点、そしてそこに因縁のライスがヒーローとして要る点は馬をわざわざ擬人化した良さが出ている。

一期と違って、最強馬がひしめき合うような感じではないカノープスが少しコミカルな雰囲気を醸し出しつつも、キチンとストーリーでも輝く。こんな上手な三枚目の使い方中々無いわ。カノープスのトレーナーが他ウマ娘が勝った時に他の人たちは勝ウマを見てる中、カノープスの子たちを見ていたり、ぐっと拳を握ったりするところも細かい。

ストーリーももちろん良い。もうこればっかりはいくら語っても無粋だから見ろ。

テイオーを負かして灰にしたのも、もう一度奮起させたのも、そして覆らない故障を突き付けたのも、最後に奇跡を信じさせたのも全てマックイーンという事実。そしてマックイーンをアツくさせたのも、君臨者たらしめたのも、泣かせたのもテイオー。数奇でドラマティックでこれ以上ない運命のライバルとしての描写。マックイーンはテイオーを負かした最強の看板をテイオーの為にも持っていたかったのかなって…。無敗を掲げたテイオーの為にも…。

ライスシャワー皐月賞の舞台で絶望させた光もミホノブルボンだし、ミホノブルボンを絶望の淵から奮起させたのもワイスシャワーという勝者。逆にライスシャワーをもう一度立ち上がらせて、理解者たり得たのもブルボン。これもまた最高。

テイオーの無欠ではないが、奇跡の復活劇に燃える人々のたとえ勝てなくともテイオーの走っているところが見たいという本音と勝ってしまう奇跡。そこに至る全ての要素の決着。

1回目のけがの時のイメージトレーニングから3回目のけがでマックイーンに勝てるビジョンが浮かばなくなるという伏線の形も綺麗。一回目の奮起にマックイーン、二回目の絶望にマックイーンが使われて、ここで今まで一方的にライバル宣言されていたカノープスツインターボが舞台装置としてシャカリキになるのも過不足無くて良い。この時に今まで優男で頼りなさげだったトレーナーが強硬策に出るのもカッコイイ。ツインターボが逃げ切るのを信じてるからこその強硬策だし。

テイオーが走る理由を見つけるためにしていた皆のサポートが自分に帰ってくるという最後もベタだけどグッド。

OPのキミと夢をかけるよってテイオーの歌かと思ってたらアニメが進んでいくとマックイーンからテイオーにかける言葉かと思わされてラストのウイニングライブで2番で完全にテイオーの歌だと分からされて逆方向が示される最高の回収。ところで”かけるよ”って競馬モチーフだし奇跡を託す的な意味で賭ける、君と一緒に夢を走るよってことで駆けるって感じの掛詞ですかね。歌詞もひらがなっぽいし。(夢を駆けるがトウカイテイオーの写真集だから実は最初からトウカイテイオーの曲だって分かるけど)

EDの運命の意地悪やら諦めそうになった瞬間に背中に感じた願いも両者にかかる歌詞。これがアニソンだよね。アニメ本編と関係なく良い曲は良い曲だけど、歌詞を噛み砕いたときにアニメの良さと高めあえるのは物語に関わった楽曲でしかできないことなので。

ゾンビランドサガと似たストーリーに悪影響を及ぼさない程度のギャグ描写も心地よかった。炭酸抜きコーラはインターネッツに住まうものとしてはピックアップするネタとしてはちょっとくどい気もしたけど。

やや要望を言えば史実再現上仕方ないが、スピカの他面々が十把一絡げな感もあったのがくやしい。ダイワスカーレットが大好きなので…。まあダスカとウオッカの関係性に関してはアプリ版でかなり凄い完成度で(しかもガチャを引かずに見られる)描いてしまっているのでアニメ的には作りにくそうではあるが…。

総じて毎話毎話名作だった。最高。

 

おやすみ。